NIR分析法を用いた定量分析について

測定用サンプルに近赤外光を800nmから照射しながら走査していくと図2のようなスペクトルが得られる。これらの吸収ピークは表1で帰属される例えば水分やタンパク質、脂肪等と関連付けられる。

一つのスペクトルに対して、各吸収ピークが分析項目として関連付けられる。分析項目の分析値はJIS法等で最適な分析法から算出され、一つのスペクトルに対して、分析項目の数だけ紐づけされる。

スペクトル-分析値として紐づけされたデータセットをサンプルのマトリックス性状を考慮して、取得することにより多変量解析を得て検量線モデルを作成する。

その後、得られるモデル式を検証し最適なモデル式が検量線となりルーチン分析が可能となる。

サンプルの検討からモデル構築、ルーチン分析までのフロー(概念図)を図3に示す。

表1
NIR分析のサンプルの検討からモデル構築、ルーチン分析までのフロー(
図2 実際のNIRスペクトル
実際のNIR分析スペクトル
図3 ルーチン分析までの概念図
ルーチン分析までの概念図
図4 NIRの検量線
NIRの検量線
NIRの検量線

図4は図3のフローにより得られた検量線である。横軸は各種分析法で得られる分析値、縦軸は多変量回帰を行った際にNIR分析値として算出される予測値である。図4はZn2+のプロットが1:1の45°線上に相関性を持っていることは、分析値未知サンプルを測定した際に従来分析値と正確さの高い結果が得られることを示している。

このモデル式を実際に外部評価(分析値が既知であるが、モデル式の情報に入っていないサンプルを使用)した結果、ルーチン分析に使用できるモデル式=検量線となる。

その検量線ファイルをNIRシステム本体にインポートし、初めて実運用NIRシステムとなる。

種穀類
  • 小麦の硬さのスコア¹⁹›
  • 小麦の灰分²⁰›
  • 小麦の灰分と魅(ふすま)の混入率の関係²¹›
  • 米の食味計²²›
青果物
  • タマネギの乾物量²³›
  • メロンの可溶性固形物²⁴›
  • モモ果実の糖度⁴›
  • 温州ミカンの糖度²⁵›
  • リンゴの糖度²⁶›
  • リンゴの硬度²⁷›
  • トマトの糖度²⁸›
  • イチゴの硬度²⁹›
畜産物
  • 生乳の赤外法による分析³⁰›
  • 生乳の近赤外法による分析³¹›
  • 生乳のタンパク質,脂質,乳糖の測定波長³²›
  • 生乳のスペクトルから飼料の識別³³›
  • 粉乳の水分,脂質,乳糖,タンパク質³⁴ ³⁵›
  • 脱脂粉乳の水分,脂質,乳糖,タンパク質³⁶›
  • クリームの成分分析³⁷›
  • チーズの脂質³⁸ ³⁹›
  • チーズホエーの水分,脂質,乳糖,タンパク質⁴⁰›
  • チーズの熟成度⁴¹›
  • 牛肉の水分,脂質⁴²›
  • ミンチ牛肉の脂肪計⁴³›
  • ハムの塩分⁴⁴›
  • ミンチ中の大豆粉の検出⁴⁵›
  • 豚肉,牛肉のカロリー⁴⁶›
  • ハムのPH⁴⁷›
  • 牛肉の調理適性⁴⁸›
水産物
  • マスの水分,脂質,タンパク態窒素
  • 透過法によるサケの脂質分析
  • 魚肉すり身中の水の存在状態
  • 乾のりのスペクトルの帰属
飼料品
  • ビールのアルコール(色の影響なし)⁵³›
  • 麦芽エキス分⁵⁴›
  • ホップのα酸⁵⁵›
  • 日本酒のアルコール,酸度,アミノ酸,日本酒度,全糖⁵⁶ ⁵⁷›
  • 清酒製造におけるコウジ菌の破精込み⁵⁸›
  • ファイバグラス製プレートによるジュースのスペクトル測⁵⁹›
  • 緑茶の浸出液の成分(シリカプレート使用)⁶⁰›

上記、表1と図3のフローから測定対象項目は、一般に表2のようにNIR定量分析では食品分野での活用事例が多い。
※【出展:岩元睦夫・河野澄夫・魚住純 近赤外入門 幸書房 2007 138】

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